私が幸せになれない理由。
その1。“それ”が始まる前から“それ”の終わりを考え、恐れ、時にとても苦しんでしまう。その始まりの合図は終わりの存在を確かに脳に刻み込む。
今を楽しめない私は確かに訪れるその時を想像して悲しみの先取りをするからだ。
その2。お金で買えないもの、目に見えないものの大切さが分からない。綺麗事すらも綺麗に感じられないほどに死んでしまった感性。本当に大事にするべきは一体何なのか。
名前すら残せないこの命を大事に出来ないからだ。
その3。儚いフィクションを好みすぎる。深い愛には深めの傷が必要で、高尚な夢は消え去るのが常。これほど愛した世界も描けやしない。幸せとは理想であるからこそ幸せで在れると本気で思ってしまう。
しあわせが怖いからだ。
不幸が良く似合うという訳の分からない自負。しあわせになることが不幸への伏線のように思えてしまう病かもしれない。
幸せの作り方を忘れた君の明日が
どうかしあわせでありますように。