バイバイ

 

 

 

 

重ねた言葉は嘘だらけでも

やけに優しく感じるのは最後だから?

 

 

何でも 最後 って

特別感を与えたがるのは悪い癖

 

最後に託けて絶対付けなかった印を刻んどいた

訳の分からない独占欲、愛おしいでしょ?

逆にきみは私の首を指でなぞるだけ

印を付けるふりして笑ってる

何の効力もないことにやっと気付いたの?

最後の最後まで狡いね

今日は全部全部許してあげる

だってこれが最後だから

 

 

近づきすぎると駄目だった

息苦しくて仕方なかった

見失った適度な距離感はもう取り戻せなかった

大丈夫、どれだけ時間をかけても

きみの理想にはなれなかったよ

これで正解だから心配しないで

 

 

なんだか懐かしい香りがした

悲しかったから全部上書きした

 

柔軟剤もシャンプーも変えた

ベッドシーツも記憶も当たり前のように捨てた

美化される前に処分しとかなきゃ

今頃どこかで燃えて灰になった私の思い出

きみはどこに捨てた?

ああでも1週間くらいは苦しんでね

その印が跡形もなく消えるまでは

 

なんて冗談も伝えられない私は

きっとこれからも同じ過ちを繰り返しては

適当に自己嫌悪して

古傷を眺めて平気なフリして生きていくんだ

 

 

他人を上手に愛せない

とかいう欠陥をもった似たもの同士は

2人して澄ました顔で 最後 の言葉を交わす

私たち、まるで大人みたいだね

 

バイバイ。