夏の終わり

 

 

 

いつも何かを失くした気がする夏の終わり

鎖に繋がれた絶望は途切れることがない

燃え上がる種は果たせなかった約束

闇に溺れればいいなんて簡単に言ったくせに

 

踊る髪が夜を撫でる

罠に誘うように囁いては悲しい顔をする

いつまでもずっと他人の制作物に頼る身の程知らず

飛べない羽根で何をしようと思ってるの

 

視線を這わせた対象

抜けない棘

言えない本音

永遠の夢を乗せても信じ切れない未来

何もかも見透かされている気がして苦しい

 

交わした言葉の全てを刻んでも

明日を生きていたい理由が見つからない

傾いた愛とすぐ目の前にある限界

誰かの見る世界と私の見える世界はまるで違う

 

音がバラバラになって落ちてくるこの懐かしい感覚

不愉快な旋律が私の耳を壊す

どんなにボリュームを上げても

響かない曲ばかりがうまれる

既視感で溢れた映像と共に抹殺してしまいたい

 

分かり合えない時間がもどかしい

昨日の私を引き摺ったまま感性が死んでゆく

いつまでも降り止まない雨と同じで

今でもずっと後悔し続けているよ

 

そこらじゅうに転がる選択肢

錆び付いた心で選んだ道は正解だった?

望みの1つすらない人生で今日も酸素の無駄遣い

残された瞬きの回数が味わう悲しみの数

 

眩しい太陽が憎い

人に言えない秘密ばかりが増える日々

こんなにも夜が好きなのに

伸びていく影を見ると不安になる

ばいばい、夏。