あけましてさよなら。

 

 

 

今思えばぎごちない距離感が最も愛おしかった。

相性がイイだなんて勘違いも甚だしい。

大事にするものを当たり前のように間違える。

大切にすればするほど壊してしまう。

甘過ぎるくらいが丁度いいなんて戯言、

もう聞き飽きたね。

 

 

不在着信の数だけ好きなところを言ってみなよ。

気付いた時には取り返しのつかない所まで歩いて

楽しかった物語ももう少しで終わりだね。

 

脱ぎっぱなしの服も、置いていったアクセサリーも

拙い言葉達も、有り触れた時間も

独り善がりの思い遣りも、

苦しい優しさも、交わした約束も

何故だかどれも同じ様に無性にイライラしてしまう。

 

 

「きみがいなきゃ生きていけない」

 

なんて真顔で言わないで。

 

いつまでもそんなところで

 

「同じメロディ」

 

を繰り返さないで。

 

 

キミが信じたかったのは「私」じゃなくて

キミの方だと思うんだ。

ひとりで歩いて行けるよ、大丈夫。

 

届けてきたもの全てが偽物だったなんて言わないけれど

気づかない方が幸せなことだってあるのは事実かもね。

確実なのは止められない溜め息だけが本物だったこと。

 

 

きっともう会えないくらいがこの物語に相応しい。

無理してハッピーエンドにする必要はないよ。

鮮やかなバッドエンドだってたまにはいいじゃん。

 

 大好きとか愛してるだとか

もう何もかも忘れてしまおうよ。

 

 

そっくりそのままお返しできる科白しか発してくれない面白みのないオモチャ。

本気を出さずに遊ばなきゃ。

 

 

ほら今日もこんな筈じゃなかった人生で

必死に足掻こう。

 

 

 

2020年。

新年あけましておめでとう。

別れって始まりらしいね、さよなら。