手
離したくなかった夜も
来て欲しくなかった朝も
壊してしまえばよかった
手を握れば握り返してくれるのに
好きだと伝えたところで同じように返してくれない君は
気のある素振りをするだけで
本当はなんとも思っちゃいないんだ
見苦しい駆け引きはやめて
見透かされてしまいたいと願う手遅れの素直さは
誰にも気づかれないままに色を失くす
そっと離した手に残るぬくもりが憎くて
思い出ごと握り潰したこの夜に
君のいない平和な未来を願う
最後まで見抜いてくれなかった本心も
記憶に刻まれた君の言葉も
死んでゆく感性と共にここに残しておくから
君が痛いほど執着している過去に加えておいてね