離したくなかった夜も

来て欲しくなかった朝も

壊してしまえばよかった

 

 

手を握れば握り返してくれるのに

好きだと伝えたところで同じように返してくれない君は

気のある素振りをするだけで

本当はなんとも思っちゃいないんだ

 

 

見苦しい駆け引きはやめて

見透かされてしまいたいと願う手遅れの素直さは

誰にも気づかれないままに色を失くす

 

 

そっと離した手に残るぬくもりが憎くて

思い出ごと握り潰したこの夜に

君のいない平和な未来を願う

 

 

最後まで見抜いてくれなかった本心も

記憶に刻まれた君の言葉も

死んでゆく感性と共にここに残しておくから

君が痛いほど執着している過去に加えておいてね

 

 

 

 

 

 

初めまして

 

 

どこかのロボットのように同じことを繰り返し続けるのは君も私も同じで寂しさを埋めるのは無責任な愛でその寂しさは俺じゃなきゃ満たせないでしょって綺麗事ばかり語るその口もさっさと塞いで何もかも忘れさせてあげる

 

見返りなんて求めてないから安心して溺れ続けて欲しいな、他人のものには興味が無いし色褪せたおもちゃは嫌いだから何処にもいかないでなんて冗談は言わないでおくよ

 

限りある命の中で守れない約束をするのは時間を殺してるのと同じで誰かの1番になりたいだとかいう叶わない夢なんて棄てて目に見えるものだけ信じて手に入るものだけで満足して死んでいこう、心配しなくてもこの関係には賞味期限があるから仲良くサヨナラをしよっか

 

身勝手な行動に苛々するのも簡単に手にしたものに価値を置けないのもお互い様だからそれ以上バレバレの嘘を重ねる必要はないよ、君の時間を奪って鬱陶しい通知も聞こえないくらいに今この瞬間だけは夢中にさせてあげるからこれから先の君の未来で私のことを思い出してはずっとずっと苦しんでいて欲しかった

 

知らず知らずのうちに感覚が麻痺したせいか残酷な思い出は狂おしいほどに愛しくてもう誰も愛せなくなればいいのにと願いをかけたんだ

 

届かない気持ちだけが先走った夜に重なるだけで理解したフリをした私の中にもう君はいない、何もかも嘘に思えてしまう運命の中で君と私は出会えて正解だったのと問い掛けても返事のない朝に触れた手の体温だけが本物だったみたいだね

 

 

幸せの作り方を忘れた私は見え透いた答えも涙以上の言い訳もあげられなかったけれど本当はもっと知りたかった、ちゃんと分かりたかったんだよ

 

本音のような建前も偽物みたいな本心も全部全部受け止めてくれた君の優しさは私にとって君からの無自覚な暴力だった、時間を巻き戻しても同じ道を辿る私たちは救いようがない愚か者だから繰り返したすれ違いもこれで最後にしよう

 

零れていく記憶も一切合切忘れて無かったことにしてお互いそれぞれの道を歩いてもしも何かの間違いで出会ってしまったら握手から始めよう、あの日の体温を忘れられていたら正解だからね

 

「初めまして」

 

 

あの日から1年が経ちました。

 

 

歩き煙草をする人が横を通り過ぎる度に気付いてしまう未だに忘れられない誰かのことも、Twitterに流す終わりの知らない承認欲求も、いつかの夜に確信へと変わった傾いた愛も、苦し紛れの分かりやすい小さな嘘も、何もかも鬱陶しくて堪らないんだ。

 

耳に響く音はこんなにも愛おしいのに丁寧に選び取られた言の葉はよそよそしくて距離を感じずにはいられない。ちゃんとした視線すら感じられないこの時代を恨みながら山程あったはずの聞きたいことに蓋をする。とっくの昔に限界を迎えてることを悟られたくなくてあらゆる沈黙を大丈夫ですで埋めていく。

 

他人事に対してまるで自分のことかのように共感し涙を流してしまう人を簡単に信用できないのは誰のせい?本当は欲しいものなんて何もないのにあたかもに欲があるかのように振舞う日々に嫌気がさす。興味のないものばかりこの手にして暇を潰さなきゃこのくだらない人生が終わらないなんてしんどくて仕方ないね。

 

いつか本当のことを全部きちんと話すからと確約する演技も苦しくて切ない。痛みも喜びも全部覚えているこの心が張り裂けてしまう前にそんな約束消してしまおうか。何も言えない何も出来ない。嫌い嫌い嫌いだよこんな自分が。

 

眠れない夜に酔っ払ってかけた電話に何の意味も価値もないと知っているのにそれでも出てしまうのは寂しさを紛らわす方法が尽きた証。見上げた夜空にあの人を重ねてはもうこの世界に無害なものなんて残っちゃいないと知る。ありふれた日常から当たり前が消える瞬間を何度味わえば幸せになれるのだろう。

 

 

懐かしい歌声を忘れはしないと緑色に染まったあの空間を深読みしては傷付くんだ。誰よりも愛していたあの場所を自ら壊したあの日から一年が経った今も後ろ姿しか見えないのは悲しいよ。

 

 

例えば願いが叶うなら悲しみの涙が

もう二度とあなたに溢れないように

魔法をかけてくれますか。

 

 

 

 

 

二度と触れられないように

 

 

それはリモコンでチャンネルを変えるくらいに簡単なことで

 

1人で生きていけるくせに

ほらまた同じようなおもちゃを探してる

 

捕まえてはどうせ壊すんでしょ

 

 

 

もう取り繕うのはやめて

綺麗事並べるのもやめて

救えない愛はなかったことにしようよ

 

無理して連絡返すのもやめて

見え透いた駆け引きもやめて

もう自由になろうよ

 

差し伸べる手は次の誰かに向けて

冷めた目で笑うのもやめて

 

 

ああ似た者同士だから全部言わなくてもわかってるんだきっと

 

もう二度と触れられない距離を保って

勘違いで会いたいだなんて思わないように

何かの間違いで抱き締められないように

 

 

消えるのは得意分野だから任せて

またどこかで会えたらいいね

 

さよなら、大好きな人。

 

暇つぶし

 

 

 

いつだってそう

本音も建前も見分けがつかないくらいに酔わないと

目を見て話してはくれない

 

純愛を語るには少し大人になりすぎた

 

突然の電話は気まぐれで

次の約束はしないのにまるで明日会えるみたいに

またねって繰り返すの

 

 

騒がしくて仕方ない世界で

苦しむ私をちゃんと見つけてくれたあの瞬間から

新しい痛みが私を付き纏う

 

 

欲しがった言葉の殆どは

完璧なタイミングで投げかけられ

それ以上だって惜しみなく与えてくれた

 

 

そのままでいいんだよって

紡いだ言葉が感性が素敵だって

認めてくれるのに

絶対に好きとは口に出さない狡さ

 

 

シナリオ通りに進んだ駆け引き

仕掛けられた罠にちゃんとハマれたかな

 

ずっとずっと都合の良いオモチャでいたかった

気付かれないように

飽きないでって腕の中で願ってた

 

こんなにも聞き分けの良い子でいるのに

何処に行っちゃったの

 

 

もっと大事にしたかったなんて言い遺すから

今でもここであの日からずっとここで

前に進めないじゃんか

  

 

ねえ暇になったら帰ってきてよ

 

 

 

 

 

 

し合わせ。

 

 

 

「幸福な家庭はみな似通っているが、不幸な家庭は不幸の相もさまざまである」

トルストイは小説『アンナ・カレーニナ』の冒頭に記した。

 

しあわせになりたいだなんて

冗談のような本音を繰り返しては

今日も私の知らない顔で笑ってるのかな。

 

言えない恋は永遠に下書きに保存しとくから

無かったことにしよう全部。

 

嘘でもよかった。

隣にいてくれさえすれば。

 

遊びでも良かった。

優しかったから。

 

暇潰しでも良かった。

君の役に立てるなら。

 

シンプルだった感情は

いつからか歪み始めた。

 

ごめんね、君が欲しいよ。

 

ひっそりと求めすぎた割に

何も伝えなかった。伝えられなかった。

壊したくなかった。臆病な私は。

 

 

結えない愛は

その深さだけ傷を遺して

いまだ素直になれない。

 

君と過ごした時間が

私をいつまでも足止めする。

 

癒えない傷は儚いフィクションだと

苦し紛れに言い聞かせる。

ほら今日も矛盾の波に溺れて。

 

不意な仕草で気付いてたよ。

私じゃない誰かとなら君は幸せになれる。

 

すれ違い逸れる視線。

理由さえ言わないでさよならの時を迎える。

 

不意のメッセージは狡いからやめて。

せめてもの礼儀として。

 

約束できないまま遠くなる距離感。

足掻く勇気もないね。

 

どうせ最後まで気付かないなら

泣いて困らせちゃえばよかった。

 

 

同じ幸せを掴めない運命だったなら

せめて一緒に不幸になりたかったな。

 

私の不幸は

君が幸せになること。

 

君は私が隣にいて

一瞬でも幸せだった?

 

 

 

バイバイ

 

 

 

 

重ねた言葉は嘘だらけでも

やけに優しく感じるのは最後だから?

 

 

何でも 最後 って

特別感を与えたがるのは悪い癖

 

最後に託けて絶対付けなかった印を刻んどいた

訳の分からない独占欲、愛おしいでしょ?

逆にきみは私の首を指でなぞるだけ

印を付けるふりして笑ってる

何の効力もないことにやっと気付いたの?

最後の最後まで狡いね

今日は全部全部許してあげる

だってこれが最後だから

 

 

近づきすぎると駄目だった

息苦しくて仕方なかった

見失った適度な距離感はもう取り戻せなかった

大丈夫、どれだけ時間をかけても

きみの理想にはなれなかったよ

これで正解だから心配しないで

 

 

なんだか懐かしい香りがした

悲しかったから全部上書きした

 

柔軟剤もシャンプーも変えた

ベッドシーツも記憶も当たり前のように捨てた

美化される前に処分しとかなきゃ

今頃どこかで燃えて灰になった私の思い出

きみはどこに捨てた?

ああでも1週間くらいは苦しんでね

その印が跡形もなく消えるまでは

 

なんて冗談も伝えられない私は

きっとこれからも同じ過ちを繰り返しては

適当に自己嫌悪して

古傷を眺めて平気なフリして生きていくんだ

 

 

他人を上手に愛せない

とかいう欠陥をもった似たもの同士は

2人して澄ました顔で 最後 の言葉を交わす

私たち、まるで大人みたいだね

 

バイバイ。