あの日から1年が経ちました。

 

 

歩き煙草をする人が横を通り過ぎる度に気付いてしまう未だに忘れられない誰かのことも、Twitterに流す終わりの知らない承認欲求も、いつかの夜に確信へと変わった傾いた愛も、苦し紛れの分かりやすい小さな嘘も、何もかも鬱陶しくて堪らないんだ。

 

耳に響く音はこんなにも愛おしいのに丁寧に選び取られた言の葉はよそよそしくて距離を感じずにはいられない。ちゃんとした視線すら感じられないこの時代を恨みながら山程あったはずの聞きたいことに蓋をする。とっくの昔に限界を迎えてることを悟られたくなくてあらゆる沈黙を大丈夫ですで埋めていく。

 

他人事に対してまるで自分のことかのように共感し涙を流してしまう人を簡単に信用できないのは誰のせい?本当は欲しいものなんて何もないのにあたかもに欲があるかのように振舞う日々に嫌気がさす。興味のないものばかりこの手にして暇を潰さなきゃこのくだらない人生が終わらないなんてしんどくて仕方ないね。

 

いつか本当のことを全部きちんと話すからと確約する演技も苦しくて切ない。痛みも喜びも全部覚えているこの心が張り裂けてしまう前にそんな約束消してしまおうか。何も言えない何も出来ない。嫌い嫌い嫌いだよこんな自分が。

 

眠れない夜に酔っ払ってかけた電話に何の意味も価値もないと知っているのにそれでも出てしまうのは寂しさを紛らわす方法が尽きた証。見上げた夜空にあの人を重ねてはもうこの世界に無害なものなんて残っちゃいないと知る。ありふれた日常から当たり前が消える瞬間を何度味わえば幸せになれるのだろう。

 

 

懐かしい歌声を忘れはしないと緑色に染まったあの空間を深読みしては傷付くんだ。誰よりも愛していたあの場所を自ら壊したあの日から一年が経った今も後ろ姿しか見えないのは悲しいよ。

 

 

例えば願いが叶うなら悲しみの涙が

もう二度とあなたに溢れないように

魔法をかけてくれますか。