555

 

 

深くなる傷を見ないふりでやり過ごし、ギュッと目をつぶって何も無かったことにする。慣れた痛みも気付かないふりでもう後戻り出来ないところまで来てしまった今日という日に終止符をうちたいと昨日と同じことを思ってる。

 

大切にしたいものほど壊してしまう。誰も責任を取ってくれない夜も取り返しのつかない朝も判別が出来なくなった。世界が拒んだ愛ですら拾ってあげるのに少しずつ首を絞めるように苦しさが増していくね。

 

消えてしまった影が悲しい。まるで空気みたいな使い捨ての人間に生まれてしまった。思考する生き物として生まれたことが最大の間違いで、私が語った思いは履き違えた優しさかもしれない。

 

それでも願えたなら、なんて軽々しく口走ってしまう。見切りをつけたこの人生に守るべきものなんてひとつも無いくせにくだらないことばかりが譲れなくて困っちゃうよ。

 

叶えたい未来もないのに明日が怖くてたまらない。楽しかった過去に戻りたいなんて死ぬまで欲しがる無能。どうやったら君を愛せるの?分からないことばかりですれ違いが許せない。

 

いなくなってしまった存在に感情移入して消えてしまいたいと祈る今日がどうか崩れ落ちてしまう最終話でありませんように。